山梨県都留市にある、松尾芭蕉も句に詠んだ名勝「田原の滝」に行ってきました。
アクセス
富士急行「十日市場駅」で下車。
駅から出て数十m歩くと、すぐに「富士みち」国道139号が見えてきました。
道脇にある案内標識に従って、国道139号沿いを東に5分程歩き「田原の滝」に到着。
駐車場
滝のそばにある「田原の滝公園」に駐車場があります。
普通車8台が駐車できます。
転回できないためマイクロバス以上の車両は駐車できません。
駐車場の横にはトイレがありました。
最寄駅・近隣交通機関から
富士急行「十日市場駅」下車~国道139号経由、徒歩5分
中央自動車道都留ICから車で10分
地図
田原の滝(たはらのたき)
「田原の滝」は、富士五湖の1つ山中湖を水源とした桂川に流れる大きな段瀑です。
富士山の火山活動で形成された柱状節理が桂川の侵食により渓谷美を造り、かつては白根の滝や白滝といわれる名瀑でした。
江戸時代の文人や俳人も、この滝に感銘を受け詩や句を残しています。
天和2年(1682)の12月から、都留に半年ほど滞在していた松尾芭蕉は「田原の滝」を訪れ
「勢ひあり 氷消えては 瀧津魚」
の句を詠みました。
又、文人で旧津藩江戸藩士(当時は浪人)であった藤堂良道が、文政8年(1825)から翌年にかけて甲斐を旅したおり「田原飛瀑」と題した五言律詩を詠んでいます。
「瀑流知幾懸。水棚引澆田。雷吼降巌石。籠跳走谷川。沫飛常起雨。瀾碎己生煙。請看山村利。全存此一泉。」
滝の景観
水量豊富な桂川の水が直接、滝に流れ込み水煙を上げる大迫力の滝です。
滝下には段差が設けられ、徐々に幅を広げながら流れる姿はかなりの見ごたえです。
特に、いくつかの滝が合流して流れているかのように見える最上段の滝は、見事な景観を見せています。
岩壁の綺麗な柱状節理も特徴的です。
(実は柱状節理は、人工のものだそうです。)
滝の周辺
滝前には桂川の両岸をむすぶ橋が架かり、国道139号から見て橋向こうには松尾芭蕉の像と句碑そして綺麗に整備された田原の滝公園があります。
橋
桂川の両岸をむすんでいる橋です。
橋の上からは滝を正面から眺められ、ちょうどよい観瀑場所になっています。
松尾芭蕉の像と句碑
滝の傍らには、都留にもゆかりがある松尾芭蕉の像と句碑があります。
田原の滝公園
平成の名水百選に選ばれた「十日市場・夏狩湧水(ゆうすい)群」を巡る散策コースの出発拠点にするべく市が整備した公園です。
まだ新しい公園で、滝を眺める展望台やトイレ、駐車場などが整備されていました。
駐車場には、普通車8台が停められます。
転回できないため、マイクロバス以上の車両は駐車できないようです。
公園の端には、湧水が流れるオブジェがありましたが飲水できない旨が掲示されていました。
「田原の滝」の歴史
見応えのある滝ですが、実は完全に昔のままの姿で残っているというわけではありません。
どういった変遷をたどって今の姿になったかについては、案内板に詳しく書いてありました。
「田原の滝」はかつては2段の滝で、下段の滝は直下20mあったといわれています。
しかし水量が豊富で、地盤的には脆い構造だった「田原の滝」は明治31年(1898)に両岸が崩れて一段になり大正12年の関東大震災以降も崩壊が続き、上流に約30m後退しました。
そして周辺の民家に被害が及ぶおそれが生じたため、昭和33年に砂防堤防が建設されます。
これにより安全は確保されたものの、渓流の趣ある景観が失われてしまいました。
そこで渓岸浸食などの防止と、かつての渓流美を取り戻すため残された柱状節理を利用しつつ、砂防えん堤や護岸を「柱状節理」に模し景観に配慮した設計が行われたそうです。
案内板を見るまで、壁面の柱状節理が人工のものだとは気が付きませんでした。
まとめ
現在は人工の滝になっていますが、水量が多く迫力がある滝でした。
駅から近く、観賞環境が整っているので「十日市場・夏狩湧水(ゆうすい)群」を巡る散策で最初に訪れる場所とするのもいいと思います。
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基本情報
所在地
〒402-0031 山梨県都留市十日市場1527
料金
無料
お問合せ先
0554-43-1111(都留市観光協会)
関連サイト
写真撮影日
2018年10月