神奈川県称名寺を訪れました。
目的は鎌倉時代に整備されたといわれる庭園鑑賞です。
アクセス
称名寺には京急金沢文庫駅から徒歩で向かいました。
住宅街を歩き、金沢文庫側からトンネルぬけて称名寺に到着。
金沢文庫
金沢文庫は、鎌倉時代中期に北条実時が設けた武家の文庫で北条氏の滅亡後、室町後期~江戸時代にかけて荒廃しましたが伊藤博文らの尽力により復興。
それから関東大震災で被害を受けますが1930年に神奈川県最初の県立図書館として再興され、現在は神奈川県立金沢文庫の名称で中世歴史博物館となっています。
駐車場
専用駐車場はありません。
最寄り駅・近隣交通機関から
東急「金沢文庫駅」から国道16号を経由して約1.1 km
シーサイドライン「海の公園南口駅」から金沢海岸通りを経由して約1.1 km
「海の公園柴口駅」から小柴切通しを経由して1.0 km
地図
称名寺
称名寺は、神奈川県横浜市金沢区金沢町にある真言律宗別格本山の寺院です。
山号は金沢山(きんたくさん)。
御本尊は弥勒菩薩。
開基は金沢北条氏の祖である、北条実時。
1258年(正嘉2年)実時が六浦荘金沢の居館内に建てた持仏堂(阿弥陀堂)が寺院の起源といわれています。
1267年(文永4年)、下野薬師寺の僧・審海を招いて開山。
このときに真言律宗の寺となりました。
鎌倉幕府滅亡とともに衰退しますが、江戸時代に入り復興され、現存する建物が作られました。
称名寺の境内は国の史跡に指定されています。
例年5月初めには、境内で薪能が開演されています。
境内の景観
称名寺の正面には桜並木の参道が敷かれ、その先に建つ立派な楼門の仁王門を通過すると浄土式庭園が広がっています。
浄土式庭園とは平安時代から鎌倉時代にかけて造られた日本庭園の形式で、仏教の浄土思想の影響を受け、極楽浄土の世界を再現しようと造られている庭園形式です。
庭園は1323年金沢氏三代貞顕の時代に整備され、発掘調査をへて1987年に復元されました。
庭園には阿字ヶ池が造られ、中心に中之島がおかれています。
島にはまず反橋が架けられ次に平橋を渡し、その先に本堂が建っています。
中島のある池泉を有し、平橋と反橋を渡るのは浄土式庭園の特徴です。
本堂は極楽浄土を表しています。
本堂横には鐘楼、池のほとりにはベンチのおかれた林がありました。
歌川広重が描いた金沢八景のひとつ「称名の晩鐘」は称名寺の鐘楼です。
池には水鳥が遊び、ベンチには参拝者が腰かけ庭園を観賞していました。
本堂に参拝し庭園を一巡りして思いましたが、此処は横浜の住宅街にあるとは思えない程、のどかな空気が流れています。
まるで、山里にある庭園にでも訪れているかのような気分になります。
この寺院は周りを金沢三山をはじめとする山々に囲まれ、人が主に出入りするのは南にある仁王門と西の金沢文庫へ通じるトンネルだけです。
周囲の山に加えて、限られた通行口しかないことが街から隔てられた環境をつくり、喧騒と無縁な穏やかな雰囲気を生み出しているのではないでしょうか。
境内から登れる裏手の山は「称名寺市民の森」としてハイキングコースになっていて、八角堂がある山頂からは周りの街並みが眺望できます。
まとめ
金沢三山をはじめとする山々にかこまれた、閑静な環境の落ち着いた雰囲気の庭園です。
称名寺には、寺の創始者といわれる北条実時の墓や石の百観音なども現存しています。
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基本情報
所在地
〒236-0015 神奈川県横浜市金沢区金沢町212
交通アクセス
東急「金沢文庫駅」から国道16号を経由して約1.1 km
シーサイドライン「海の公園南口駅」から金沢海岸通りを経由して約1.1 km
「海の公園柴口駅」から小柴切通しを経由して1.0 km
料金
無料
拝観時間
午前9時~午後5時(入山は午後4時30分まで)
関連サイト
写真撮影日
2010年11月
2013年6月