音楽家の大田黒元雄氏の屋敷跡を庭園として整備した和洋折衷の名園、大田黒公園を見てきました。
アクセス
大田黒公園へは、JR「荻窪駅」から歩いて向かいました。
JR「荻窪駅」南口から東に進んで南口仲通りに向かい400m程歩き、天沼陸橋南(交差点) を右折。
270m程進むと大田黒公園が見えてきます。
JR「荻窪駅」から徒歩で15分程です。
駐車場
専用駐車場はありません。
自転車は正門前に停められるようです。
最寄り駅・近隣交通
(徒歩)JR中央線「荻窪駅」南口から南口仲通りを経由して約500 m
地図
大田黒公園(おおたぐろこうえん)
東京都杉並区荻窪にある大田黒公園(おおたぐろこうえん)は、音楽家の大田黒元雄氏の屋敷跡を庭園として整備し、1981年(昭和56年)10月1日に開園した区立の都市公園です。
ドビュッシーやストラヴィンスキーを初めて日本に紹介するなど音楽文化に貢献し紫綬褒章を受章され文化功労者に選ばれた大田黒元雄氏は、86歳で逝去されるまで47年間余りにわたって此処の地で音楽活動を続けました。
自邸の30%を公園にして欲しいという大田黒元雄氏の遺志により、遺族から杉並区に寄付されたものを公園として整備しています。
正門
大田黒公園の入り口になります。
門は総檜、屋根は切妻づくりで、屋根は棧瓦ぶき。
塀は、どっしりとした築地塀です。
銀杏並木
門をくぐると御影石が敷かれた園路がのびています。
園路の長さは約70メートル。
左右に並木を造るのは樹齢100年を経た大イチョウです。
合計27本あるそうです。
庭門
庭園の入り口には薬医門があります。
事務室、休憩所、茶室
事務室、休憩所、茶室は渡り廊下で結ばれ一棟の建物になっています。
事務室の前には、パンプレットなどが置かれていました。
休憩室は、大きな梁がある古民家の土間風の作りです。
茶室は京間8畳、利用するには、事前の申し込みが必要です。
建物には、自販機やトイレがありました。
中庭
事務室、休憩所、茶室の裏には中庭が造られています。
中庭には井筒があり、そこから流れた水が園内をめぐり池に注いでいます。
記念館(登録有形文化財)
庭園の西寄りに、大田黒氏の仕事場であったレンガ造りの洋館が保存され記念館として公開されています。
記念館は1933年(昭和8年)に建てられたもので、中には大田黒氏の愛用のスタインウェイ社製のピアノや蓄音機などが展示されていました。
建物内は撮影禁止で2階は非公開です。
日本庭園
旧大田黒邸の庭園の原形を可能な限り残し、回遊式日本庭園として整備されています。
庭園はなだらかに傾斜していて、上部には広々とした芝生の広場。
下部に大きな池が配されています。
園内には水路や園路がめぐらされ、植栽として芝生広場に大きなアカマツ。
下草にクマザサ。
庭園周囲の木立には、ナラやケヤキなどが植えられています。
池
井筒から始まった流れが注ぐ池です。
池には鯉が泳ぎ、ほとりにはあずま屋が建っています。
池の周囲には、モミジを中心とした植栽が植えられていました。
池を飾る石は筑波石。
筑波石は、マグマがゆっくりと固まってできた斑れい岩で硬く傷つきにくい特徴があります。
江戸時代には石垣にも使われ、バブル期には庭石としてブームになりました。
ライトアップ
紅葉の見頃には例年、大田黒公園の開園時間が延長され、日没から園内がライトアップされます。
ライトアップのイベントは2003年から開催されています。
ライトアップの期間は例年11月下旬から12月上旬。(2019年は11月22日~12月1日 )
ライトアップ中の開園時間は例年、平日は、9:00~20:00(入園は19:45まで)、土日は、9:00~21:00(入園は20:30まで)です。
来園日の紅葉は、色づきはじめといったところでしたがモミジやイチョウの木々がライトに照らされ闇夜に浮かび上がる姿はたいへん幻想的でした。
特に多くの来園者たちが集まっていたのは池の周囲。
水面に映りこむモミジが絵になる景観を見せていました。
カメラマンたちもこぞって写真を撮っていました。
まとめ
入園は無料ですが、ていねいに維持管理された名園です。
池や園路の植栽などには日本式の庭園技法がつかわれ、広々とした芝生敷きには洋風庭園の趣がみられるなどバランスよく和洋折衷しています。
園内の建物も記念館は洋館、待合室は古民家風であるなど随所に和洋の融和が見られる庭園です。
基本情報
所在地
〒167-0051 東京都杉並区荻窪3丁目33−12
料金
無料
開園時間
9時~17時(入園は16時30分迄)
開園日
1月2日~12月28日
関連サイト
写真撮影日
2019年11月
これまでに訪れた庭園
目白庭園(東京都豊島区)を観賞してライトアップを見て来ました。
杉並区立角川庭園 ~角川書店の創設者の邸宅を整備した都市公園~