(山中温泉) 鶴仙渓 ~古今の文人墨客を魅了した渓谷~

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石川県山中温泉にある鶴仙渓を散策してきました。

アクセス

車で山中温泉に入り、まず「こおろぎ橋駐車広場」に駐車して渓谷を散策しました。

駐車場

山中温泉街には「こおろぎ橋駐車広場」と「あやとりはし駐車場」の2か所の無料駐車場があります。

こおろぎ橋駐車広場

通りに面した駐車場で、普通車20台以上の駐車スペースがあります。

「こおろぎ橋駐車広場」から「こおろぎ橋」までは徒歩3分程です。

あやとりはし駐車場

それほど広くありませんが、普通車数台が駐車できます。

近くにはトイレが設置されていました。

最寄駅・近隣交通機関から

  • JR加賀温泉駅から国道364号経由で約10.6km
  • 北陸自動車道「片山津IC」から県道39号経由で約18.7 km
  • 北陸自動車道「加賀IC」から国道8号 と 国道364号 経由で約13.6 km

地図

鶴仙渓(かくせんけい)

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鶴仙渓は、石川県加賀市の山中温泉にある渓谷です。

温泉街に沿って流れる大聖寺川中流の渓谷で、上流に架かる「こおろぎ橋」から下流に架かる「黒谷橋」までの約1.3kmの区間をいいます。

砂岩の浸食により多くの奇岩が見られる古くからの景勝地で、かの松尾芭蕉も風景の美しさに「行脚の楽しみここにあり」と喜んだといわれています。

また中林梧竹、巌谷一六と共に明治の三筆と呼ばれた書家、日下部鳴鶴が好んだ渓谷としても有名で、「鶴仙渓」の名もそのことに由来しているそうです。

まず「こおろぎ橋駐車広場」の向かいにある「鶴仙渓眺望広場」から渓谷を眺め、渓谷の遊歩道を歩きました。

鶴仙渓眺望広場

渓眺望広場から見た景観。

こおろぎ橋

こおろぎ橋は鶴仙渓上流に架かる総檜造りの橋で、山中温泉を代表する景勝地です。

「こおろぎ」という名は、かつて行路が危なかったので「行路危(こうろぎ)」と称されたとする説や、秋に鳴く「こおろぎ」に由来するという説があります。

こおろぎ橋は鶴仙渓を代表する名所ですが、訪問日は残念ながら橋の架け替え工事中で近づくこともできませんでした。

橋の架け替えは20年に一度行われているそうで、今回の工事期間は2019年5月7日~10月14日(予定)までだそうです。

※令和元年(2019年)10月12日(土)に「こおろぎ橋」が開通しました。

無限庵

「こおろぎ橋」のすぐ近くには、加賀藩家老であった横山家が金沢市の邸内に建てた書院を移築した「無限庵」が佇んでいます。

明治末期の木造建築技術の粋を傾けた最高級の普請であったといわれ、金沢市にある国指定重要文化財・成巽閣に見られる武家邸宅書院の伝統を継承する近代の書院造として貴重な遺構です。

また古九谷や加賀蒔絵、千利休ゆかりの茶道具など、数々の古美術品を展示しており、敷地内には茶室や庭園もあります。

(遊歩道)こおろぎ橋~あやとり橋

「こおろぎ橋」は架け替え工事中で見られませんでしたが、渓流沿いに造られた遊歩道は問題なく歩くことが出来ました。

(石段を下りて渓流遊歩道に向かいます。)

「こおろぎ橋」から「あやとり橋」までの遊歩道では見事な渓流美の他、奇岩や滝なども見ることが出来ます。

采石巌(さいせきがん)と説明板

休憩所

川床

4月から10月までは、渓谷の自然美の中で涼をとれる「鶴仙渓川床」が営業しているはずですが訪問日はお休みでした。

(こおろぎ橋に続いて…。)

営業時の川床は、真っ赤な傘と渓谷美がコラボレーションした趣のある景色だそうです。

不動滝

川床の近くには、不動滝が流れています。

傍らには、お地蔵さんがお祀りされていました。

歌碑

所どころに松尾芭蕉の歌碑がありました。

あやとり橋

「あやとり橋」 は上流に架かる「こおろぎ橋」と下流に架かる「黒谷橋」の中間に位置する橋で、長さ94.7メートルの徒歩専用橋です。

「こおろぎ橋」からは、800m下流に架かっています。

いけばなの流派である草月流の家元・勅使河原宏氏により「鶴仙渓を活ける」というコンセプトのもとデザインされました。

鮮やかな紅紫色で竜がうねりを見せるような斬新なデザインの橋です。

夜間にはライトアップもされています。

橋上からの眺めは、なかな迫力です。

あやとりはし駐車場

あやとり橋の近くには、小さいですが無料の観光駐車場があります。

こおろぎ橋の駐車場が満車の時は、こちらに車を停めて散策してみてはいかがでしょうか。

山中温泉は有名観光地でありながら、何かと観光客に優しい場所だと思います。

(遊歩道) あやとり橋~黒谷橋

しかしこの遊歩道、楓や苔の深緑が本当に綺麗です。

さくら広場

「あやとり橋」と渓流遊歩道の間には、「さくら広場」があります。

東屋や池には照明施設が用意されていたので、ライトアップもされているのではないでしょうか。

芭蕉堂

芭蕉堂は、「黒谷橋」のたもとにあります。

北国行脚の折りに立ち寄り

「山中や菊は手折らじ湯のにほい」

と詠んで名湯ぶりを讃えた俳聖松尾芭蕉を祀る御堂です。

明治43年に創建されました。

黒谷橋

「黒谷橋」は「あやとり橋」から、500m下流に架かっています。

白を基調としたレトロ調の意匠が特徴的な、全長約36mのコンクリートアーチ橋です。

1935年(昭和10年)8月に竣工されました。

欄干と親柱には御影石が使用され、床板は小石を洗い出ししているなど趣向が凝らされた造りです。

(黒岩橋のたもと、渓流遊歩道入り口付近にはトイレがあります。)

黒谷橋からの眺め

下流に見えるのはコンクリート橋の「白鷺大橋」です。

車も渡れます。

まとめ

「こおろぎ橋」から「黒谷橋」までの1.3キロの距離に、美しい清流や豊かな森林さらに歴史を感じさせる苔むした遊歩道など渓谷の景観美を凝縮したような景勝地でした。

鶴仙渓は紅葉の名所として有名ですが、樹木や苔の緑が濃い夏の景色も大変綺麗でお勧めです。

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基本情報

所在地

石川県加賀市山中温泉下谷町ロ

料金

無料

関連サイト

鶴仙渓 – みどころ – 北陸・加賀温泉郷の観光情報サイト

鶴仙渓|ほっと石川旅ねっと

写真撮影日

2019年9月

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