大池寺(滋賀県甲賀市水口町) ~小堀遠州が作庭した蓬莱庭園や甲賀三大佛を拝観できる名刹~

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滋賀県甲賀市に建つ大池寺に参拝をして庭園を観賞して来ました。

アクセス

「大池寺」には「草津市」方面から車で向かいました。

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JR「草津駅」から国道1号を経由して、約23キロで「大池寺」の駐車場に到着します。

駐車場

「大池寺」の入り口の近くに駐車場があります。

舗装された広い駐車場で、普通車数十台は停められそうです。

駐車料金は無料。

普通車 50 台

最寄り駅・近隣交通機関から

近江鉄道「水口駅」から県道549号を経由して約2.1 km

JR貴生川駅から市道新町貴生川幹線と城南街道を経由して約4.4 km

地図

大池寺(滋賀県)

「大池寺(だいちじ)」は、滋賀県甲賀市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。

御本尊は釈迦如来。

山号は龍護山。

奈良時代の天平年間(729年 – 784年)高僧 行基が訪れた際、日照りに悩む農民のため、灌漑用水として4つの大きな溜め池「心字(しんじ)の池」を造り、その中央に本堂を立て、一彫りごとに三拝したという「一刀三礼の釈迦丈六坐像」を安置したのがお寺の始まりとされています。

この時造られた「心字の池」は現存し、千年以上にわたって周囲の水田を潤してきたといわれています。

現在の寺名である「大池寺」は、周囲に大きな池があるのに因んで名づけられました。

かつては、寺の名を「邯鄲山青蓮寺」といい、山内寺院は八ヶ寺を数え、七堂伽藍の備わった、天台宗の寺院だったといいます。

その後、鎌倉期に東福寺開山聖一国師の孫弟子である、無才智翁禅師により禅宗になりました。

室町時代には戦火により荒廃しましたが、江戸時代の寛文7年(1667)京都花園妙心寺の丈巌慈航禅師が訪れ、寺の復興にに尽力しました。

この時に、山号と寺名を「邯鄲山青蓮寺」から、「龍護山大池寺」に改名しました。

それから、寛文10年(1670)に仏殿、庫裡が完成しました。

その時に多額の浄財を寄進したのが、後水尾天皇、伊達宗房や織田主水正信です。

中でも織田信長の甥にあたる織田主水正信は、多くの寄進をし、大池寺の開基となりました。

このことから、大池寺の寺紋は、織田家の家紋である「 織田木瓜」なっています。

大池寺は、びわ湖百八霊場の第82番です。

境内で参拝をした後、本堂で拝観料を払って蓬莱庭園を観賞。

それから、もう1度、境内を見学しました。

鐘楼。

駐車場から本堂までは徒歩で3分程。

拝観料は大人400円

拝観料 大人400円、中学生300円、小学生200円 (2024年5月時点)

甲賀三大佛

大池寺の御本尊である釈迦如来坐像は、甲賀三大佛に数えられています。

甲賀三大佛 大池寺の釈迦如来坐像、櫟野寺(らくやじ)の薬師如来坐像、十楽寺(じゅうらくじ)の阿弥陀如来坐像。

丈六坐像の木彫で約八尺の大仏像です。

蓬莱庭園

まずは、ご住職から本堂で見られる庭園の説明を聞いて「蓬莱庭園」を観賞させていただきました。

蓬莱庭園は江戸初期寛永年間に小堀遠州の作として伝えられている鑑賞式枯山水庭園です。

ダイナミックなサツキの刈込がじつに特徴的です。

書院前方正面の二段刈り込みと、左右の大刈り込みは大波小波を現しています。

白砂は大洋。

二段刈り込み手前の曲線を描く刈込みは蓬莱船(宝船)。

曲線の刈込みに包まれる階段状の刈込みは「七福神」を意味しています。

お寺の公式ホームページによると、七宝を象徴する七つの石があるそうですが観賞した場所からは見えませんでした。

縁先の中央には礼拝石が配されています。

縁先右側には、刈り込みと石で亀島が造られています。

刈込のサツキは、春になると花を咲かせ庭園を優雅に彩ります。

サツキの花の見頃は、例年5月下旬から6月中旬にかけて。

この蓬莱庭園は、甲賀市の指定名勝になっています。

前庭

書院後方茶室からは前庭が見られます。

築山枯山水で蓬莱山と称し、石組に数種の潅木(かんぼく)とサツキを配しています。

松は鶴の舞を象徴しているそうです。

自分の写真は、松の全体が写っていませんが、白壁の前の松は空に向かって枝をのばし、まさに鶴が踊っているかのような形をしていました。

ここは、松の全景を撮っておくべきでした。

庭の向かいにある白壁の土蔵は、借景になっているとのこと。

中庭

中庭には、「大池寺」を再興した丈巌慈航(じょうがんじこう)禅師が掘ったと伝わる佛母井(ぶつもせい)と呼ばれる井戸があります。

中庭には蓬莱庭園を意識したであろう刈込がありました。

この階段状の刈込みは、蓬莱庭園と同じく仏を意味しているのでしょうか。

本堂入り口の庭園

受付がある本堂入り口近くにも庭園があります。

サツキの刈込が綺麗な鑑賞式の庭園です。

作庭は昭和の初期。

庭園に向かって縁側の右には、水琴窟が造られていました。

今は見られませんが、かつては大きな松があったそうです。

心池庭

山門前には「心池庭」があります。

築山の周りに、石が配された枯山水庭園です。

築山には、桜が植えられています。

庭園を仕切る塀の外には、見事な枝ぶりの松があります。

立派な「臥龍の松」です。

この「心池庭」と「回遊式琵琶湖庭園」は、拝観料を払わなくても見学できます。

回遊式琵琶湖庭園

山門前の右手側には、「回遊式琵琶湖庭園」が造られています。

「回遊式琵琶湖庭園」は、白砂と石で琵琶湖を表現した枯山水庭園です。

白砂で表現された湖面に浮かぶ、石の島々。

庭園に置かれた、甲賀市信楽町の名産である信楽焼。

地域色が、よく出ている庭園だと思います。

「回遊式琵琶湖庭園」は、かなり面積があり、周囲を巡ることができます。

琵琶湖の情景が想像できる見ごたえのある庭園でした。

まとめ

大池寺は、本堂や境内で複数の庭園が観賞できる名刹です。

特に小堀遠州が作庭したと伝わる蓬莱庭園は素晴らしかったです。

庭園の植え込みに使われているサツキの花の見頃は、例年5月下旬から6月中旬にかけてです。

基本情報

所在地

〒528-0035 滋賀県甲賀市水口町名坂1168

拝観料

大人 400円 中学生 300円 小学生 200円

拝観時間

午前9時~午後5時(冬期は午後4時まで)

定休日

12/25~1/1の午前中、8/11~17

お問い合わせ

0748-62-0396

関連サイト

大池寺オフィシャルウェブサイト

大池寺 | 滋賀県観光情報

写真撮影日

2022年7月

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