和歌山県有田郡有田川町で、扇状の河岸段丘に造られた棚田「あらぎ島」を見て来ました。
あらぎ島への交通アクセス
訪問日は、和歌山県の「和歌山市」方面から車で向かいました。
距離は30数キロだったと思います。
ナビにしたがって走行したのですが、行程の半分くらい進んでから、かなり狭い山道に入り他車と対向できないような道を倒木や落石に気を使いながら何キロも走りました。
時刻が夜だったこともあり、道を確かめる余裕もなくどのルートをたどったのか定かではありません。
帰り道は「あらぎ島」最寄りの道の駅「あらぎの里」の前に延びる「県道19号」のトンネルを通って大阪方面に抜けました。
そちらの方には険しい道はなかったので、やばい道に入ったと思った時は引き返してルートの変更も検討した方がいいと思います。
駐車場
道の駅「あらぎの里」横の道を集落側に走り、数百メートルで「あらぎ島」駐車場に到着。
土敷きの駐車場には普通車十数台が停められる広さがあり、トイレも敷設されていました。
近隣交通機関からは
(道の駅 「あらぎの里」まで)
有田インターチェンジ付近から「国道480号」を 経由して約31.2 km
JR「藤並駅」から「国道480号」を 経由して約31.5 km
(道の駅「あらぎの里」から「あらぎ島」の展望所までは約800m)
地図
あらぎ島
「あらぎ島」は、和歌山県有田郡有田川町清水にある棚田です。
有田川町を流れる有田川の蛇行と浸食によって扇形に形成された舌状の河岸段丘地形に、階段状の棚田が造られ大小54枚の水田が広がっています。
全体の面積は約2.4ha。
平均勾配は16分の1。
農林水産省の「日本の棚田百選」や地球環境関西フォーラムの「関西自然に親しむ風景100選」に選定され、2013年(平成25年)には「蘭島(あらぎじま)及び三田・清水の農山村景観」として国の重要文化的景観に登録されました。
あらぎ島の歴史
江戸時代初期の1655年(明暦元年)に、清水町の大庄屋である笠松左太夫の資金提供と指導で灌漑水路工事と水田の開墾が行われました。
この時に拓かれた水田の一つが「あらぎ島」です。
あらぎ島の景観
駐車場から「あらぎ島」展望所までは集落の中を歩いて行きます。
途中、和歌山県観光連盟の「和歌山県朝日夕陽百選」に選ばれた記念モニュメントがありました。
駐車場から徒歩数分で「あらぎ島」展望所に到着。
訪問時(2019年9月)の「あらぎ島」展望所は、付近の崖崩れで修復作業中。
立ち入り制限がありましたが、展望所の一部は解放されており「あらぎ島」を鑑賞する分には支障はありませんでした。
(対面の道から眺めると、展望所下の崖が大きく崩れていたので完全修復までは時間がかかるかも知れません。)
展望所は2段になっていて、そのどちらからでも「あらぎ島」を眺められます。
全景を見るにはやはり、上段から眺めるのがお勧めです。
(下の段からの眺めは草が視界を遮り、上段ほどの眺望は得られていませんでした。)
展望所から見た景観は、思ったよりも壮大なものでした。
Ω形に蛇行した有田川の内側に広がる棚田の背後には紀伊山地の山々が広がり、山間には霧状になった雲がたなびいていました。
棚田の右後ろに大きな鉄橋が架かっているのが見え、周辺の地形の険しさと自然のスケールがよく理解できる眺めとなっています。
「天井田」と呼ばれる棚田の最上段の田で収穫された米や餅米でついた餅は、秋篠宮夫妻や悠仁親王に献上されているそうです。
道の駅「あらぎの里」
「あらぎ島」最寄りの道の駅「あらぎの里」から、展望所までは800m程です。
土産物屋や食事処もあるので、ここで休憩を入れて「あらぎ島」に向かうのもいいのではないでしょうか。
道の駅「あらぎの里」には製麵所らしきものが併設され、そこで麺を打っていたので「あらぎの里」の食事処では打ちたての蕎麦が食べられるのではないかと思います。
(自分が訪れた時は、まだ開店時間になってなかったので食べていませんが食事の価格はかなりリーズナブルに提供されていました。)
棚田カード
道の駅「あらぎの里」では、棚田カードが配布されています。
棚田カードとは農林水産省が都道府県の担当者に呼びかけ、棚田地域を盛り上げる棚田の保全事業の一環として令和元年から配布しているカードです。
(表面)
(裏面)
(2019年9月)現在は第一弾として56か所の棚田で配布されています。
※令和2年(2020年)7月20日から棚田カード第2弾の配布が開始されました。
カード配布地域の棚田に訪れ、所定の場所でもらうことが出来ます。
「あらぎ島」のカード配布場所は、道の駅「あらぎの里」としみず温泉「あさぎり」です。
もちろん自分も、いただきました。
さらに 和歌山県では、独自で作成した「棚田カード」「棚田めぐりガイド」収集用のバインダーを希望者に配布しています。
(数に限りがあるそうです。)
調べた範囲だと、特製バインダーをもらえるのは和歌山県だけ。
棚田カードを集めるのならば、和歌山県から始めるのも良いのではないでしょうか。
もちろん、こちらももらいました。
ライトアップ「キャンドルライトイルミネーション」
秋篠宮妃紀子様の父方の曽祖父が、現在の有田川町の北東端にあった旧安諦村(あでむら)出身で、毎年9月6日に悠仁親王の誕生日を祝うため、棚田をろうそくでライトアップするイベントが行われています。
ただし2019年は(おそらく)崖崩れのため中止になっているようでした。
まとめ
「あらぎ島」展望所からは、想像以上にスケール感のある景観を見ることが出来ました。
展望所は修復中でしたが、棚田を眺めるのに支障はありませんでした。
(ただし、展望台の修理中は鑑賞する角度はある程度制限されます。)
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基本情報
所在地
和歌山県有田郡有田川町清水
交通アクセス
(道の駅 「あらぎの里」まで)
有田インターチェンジ付近から「国道480号」を 経由して約31.2 km
JR「藤並駅」から「国道480号」を 経由して約31.5 km
(道の駅「あらぎの里」からあらぎ島の展望所までは約800m)
料金
無料
お問い合わせ先
有田川町商工観光課
〒643-0153 和歌山県有田郡有田川町大字中井原136-2
電話番号:0737-22-4506(直通、平日8時30分~17時15分)
電話番号:0737-52-2111(代表)
写真撮影日
2019年9月